思考/備忘

本ブログの目的は、大要、過去現在の思考を記し自己を観察するという個人的なものです。

ゴーセン道場に参加してみた

つい数時間前迄、小林よしのり氏主催のゴーセン道場に参加していた。

確か65回という回で呼ばれていた今回の議論のテーマは、憲法9条改正についてであった。

登壇者は、小林よしのり井上達夫民主党枝野幸男がメインである。大変申し訳ないが、その他数名男女がいらっしゃったが名前は知らない。※興味ある方は各々調べていただきたい。

さて、議論の中身であるが、蓮舫の代表辞任もありまずは枝野幸男民主党代表選に関するところから始まり、次第に憲法論に流れ質問コーナーへと進捗した。

きっと、ニコ生で見れるだろうから詳細は記述しない。※安倍晋三改憲案は議論をするまでもなく論外であるため、安倍晋三改憲案についての議論は数分で完了した点を念のため共有する。

 

さて、私が今回の議論で取り上げたいのは立憲主義についてである。枝野幸男の意見は間違っていると言いたい。

枝野幸男本人は弁護士だから、党利党略の問題等を理由に誤魔化しているだけだと思うが、憲法9条の解釈そしてこれにヒモヅク立憲主義の主張は完全に間違っている。彼の主張は、こうである。

・文理上、どのように見えようが自衛隊は合憲であり、かつ、個別的自衛権の行使も合憲である。

・過去に、自衛隊の存在、個別的自衛権を政府が合憲とした以上、これを(議員)が守るのを立憲主義と考えている。

私学助成金も充分違憲の疑いがあるが過去に合憲だと判断した以上これも現在において合憲と判断されている。

さて、次にこれを批判する。

立憲主義とは、そもそも国民の権利自由を守るために国家権力を憲法で縛り統制を図ることであり、この立憲主義を担保する権力は国民にある。敷衍して言えば、国会等の公権力が憲法を違反したら国民が批判しまくって、例えば、時の政権を潰すことにある。

とすれば、そもそも標準的な国民に理解可能な文章で憲法が規定される必要があり、これでなければ違反しているかどうかを当の国民が判断不能である。奇妙な解釈論を用いなければ理解不可能なのは立憲主義に反する。

更に、枝野幸男は、自衛隊違憲問題を私学助成金の問題と並列に扱うことで誤魔化そうとしているが、金銭の再分配の問題と国防の問題を同様に扱うのは完璧な間違いである。※枝野幸男本人はおそらく分かってやっているが。

それはなぜか?当然であるが金銭の再分配問題と防衛問題つまり交戦の問題では深刻度に明らかに差がある。※私は、法解釈一般を退けるべきだと言っているわけではなく、法解釈には限界があると言いたいのである。憲法9条による自衛隊合憲論は文理上無理があり、また、国民の生命自由に極めて重大な軍隊の統制規範があまりにも不明確にすぎるのは重大な問題である。

そうである以上、構造的似たようなケースを持ち出して自衛隊憲法問題を同様に議論すべきではない。

立憲主義を守ると言うのであれば、とっとと、普通の日本語力を持った日本国民に理解されるようなものに書き替えなければならないだろう。

枝野幸男の置かれている立場、国民の愚昧さぶり等を考えると現実には妥協せざるを得ないかもしれないとも思う。枝野幸男はマトモに議論可能な数少ない議員の一人なので、どうせバカに言っても無理だというように諦めて欲しくない。

安倍晋三の愚昧さぶりは底が測れない程に深刻であり、脱近代、脱知性というべき現政権を維持させるわけにはいかない。現実的な選択肢から、私は民進党を支持しようと思う。

 

※本日、井上達夫氏と反転可能性テストについてお話をすることができたが、時間の関係上、十数分程度しかお話しすることができなかったので解決しなかった。もっとも、お忙しい中、しかも突然路上で不躾に質問をしたにもかかわらず時間の許す範囲でお答えくださったことは心より感謝致します。またの機会にお邪魔したいと思います!