正義の名を借りるな
株主総会シーズンで外にでて飲む気がしないので、今日も何か書こうと思う。
そういえば、先日こんなことがあった。
羽田空港で、荷物の保安検査をしようと並んでいたところ、隣の列から怒鳴り声が聞こえてきた。何に怒っているのかと見てみると、40代過ぎの長身の男性が、空港のスタッフについて何やら文句を言っている。
「遅れてきた奴が、優先レーンを通れて、早めに来た俺たちは長い間待たされている。俺のラウンジでコーヒー飲む時間はどうするんだ?俺は株主だから総会で文句言ってやるぞ。」
内容としては概ねこんなところであるが、私は、この方の言っていることに違和感を覚えた。言っていることは一見正しそうだけど、それは正しくないと思った。寧ろこの男性に対して怒りを覚えるくらいであった。
それはなぜだろうか。今日はそんなことを考えてみたい。
そこで、この男性の言い分を一文一文分解して検討してみる。
①「遅れてきた奴が、優先レーンを通れて、早めに来た俺たちは長い間待たされている。」
これは、一見、正当な平等主義の主張にみえるわけだが、これは正当な平等主義であろうか。
ここで「遅れてきた奴」という表現の意味するところは、その後の「早めに来た俺」という表現を加味して解釈すると、「怠惰な奴」という意味を含意する。しかし、そもそもこの男性は、この時「遅れてきた奴」とされる者に事実確認をしていない。ということは、この表現を確認するだけで、自己の被害者ぶりを強調し利己的な目的を達するためだけに「遅れてきた奴」という表現を採用したことが分かる。つまり、何ら平等主義とは無関係である。
②「俺のラウンジでコーヒー飲む時間はどうするんだ?」
この発言は、①の発言が平等主義に何ら無関係であることを強調している。
③「俺は株主だから総会で文句言ってやるぞ。」
最終的には、権威を利用した脅迫である。もはや平等主義は完全に無関係であることが見て取れる。
正義の名を借りて自己の利己的な要求をとおそうとしている態度に怒りを覚えたんだなあ。ちなみに、これはネトウヨとよばれている思考停止「保守派」と同様の思考様式である。
素直に言えばいい「コーヒー飲みたいから、優先レーンを通させてください。お願いします。」と。